まず、ネット企画にタレントは使わない方が良いと思う。前にも書いたけど、タレントはテレビ等の既存メディアの基準で価格設定されているので、三ヶ月いくらとか、六ヶ月いくらとか、期間限定が前提となり、そもそもネットで「アーカイブ」にする、という考えが無い。これについては中川淳一郎さんも「CM女王誕生の理由とCM女王をネットで使わない方がいい理由」に書かれてますね。

なので、ルールその1は、そもそも、その企画がアーカイブにした方がよいものなら、素人に出演してもらった方がいい、ということ。アーカイブにしても良いというモデルも助かるけど。かといって社会人は出れない場合が多く、時間もないので、大学生が一番助かる。

ただ、広告企画の場合だと、多くの場合、1〜3ヶ月間限定であることも多く、アーカイブにしなくていいので、タレントを探す場合も多い。その場合、芸能事務所に相談することが多くなる。

ルールその2:大物を指名しない、というかできない。
ここでまずやっていけないのは、大物を指名すること。もちろん予算と媒体次第だけど、まだまだ大物はテレビ優先で、ネットの企画には滅多にでない。そもそも提案書に(アサイン未定)と注釈を入れてでも候補案に入れてしまうと、クライアントの期待値があがってしまい、不要な悲劇を生みやすい。そもそも既存メディアの有名人でも案外ネットでの反応も微妙な方も多いので、そもそもリクープできない。

ルールその3:売り出し中のタレントか専門家に頼む
出演費が十分あれば有名人に交渉すればよいが、出演費が十分になければ、まだ安くPR期間中のタレントに相談するか、文化人・専門家なら出演してもらいやすい。タレントは出演費が商売だが、文化人・専門家は本業が別にあり、出演費をそもそもあてにしてない人が多いから。専門家は、アマゾンで、企画に沿ったキーワードで関連本を探し、その著者をあたっていくと早い。

ルールその4:企画でタレントの興味を引く
事務所はもちろんタレントの意向を尊重するので、出演費が安くても、タレントが興味を持ちそうな企画だと出てもらいやすい。例えば対談・討論企画だと、テーマやホスト次第で、大物ゲストに出てもらえることもある。また、事務所の意向で、仕事の幅をひろげていきたい領域だと出てもらいやすい。例えば「パパ」キャラクターを売り出したければ育児系の企画には乗ってもらいやすくなる。

ルールその5:コンペ案件か、受注済みの案件かを事務所に伝える
タレントアサインでよく問題になるのは、提案中の案件で、どの段階で芸能事務所に相談するか。相談しておいて提案が落ちると失礼になるし、かといって受注できてから事務所に相談したらアサインできなかった、では話にならない。なので、事務所に相談する場合は、事務所の期待値を下手にあげないよう、提案中なら提案中の案件だと事前に明確に伝えておく。そもそも提案中の案件をもってくるなという場合もあるけどそれはまあケースバイケースで。

ルールその6:候補者リストの本命は事前に交渉しておく
クライアントへの提案書でタレントの候補者リストを出す場合、本命の事務所とは事前に交渉しておいた方が良い。逆にいうと、本命以外は事前に交渉しなくてよい。誰もアサインできる見込みがないで提案するのは危険だし、逆に、誰でもアサインできるようにしておいて提案すれば、多くの事務所と不義理になる。

ルールその7:出演費は、こちらから提案する
芸能事務所から、出演費の見積もりをもらえる事はほぼ無い。ここだけが他の商売と大きく違う。「出演していただける」感覚。なので、なんどやりとりをしても結局こちらが提案する流れになる。その場合、まず提案する金額と、ここまでなら調整して良いという金額の2種類を事前に想定しておいて、提案する。

以上、私のまだまだ数少ない経験から初歩的なコツでした。といってもわからない事だらけな上にケースバイケースすぎて、案件ごとにヒーヒーいってるけど。ネットは基本素人の世界で面白い、と思いつつも、もっとお金がまわってプロの方がガンガン入って来るのも面白いとおもっているので、タレントの世界はまだよくわからないけど実験していきます。

しかしそもそも、「アーカイブOK」「競合しばりなし」「見積もりOK」っていうネット的な芸能事務所があれば助かるんですが、誰か作らないかな。